Memories - 年の差恋愛 -

飛田さんはマンションで一人暮らしをしていて。

コーギーを買っているのだという。

「コーギーって、しっぽがないんですよねぇ?」

「そうそう。短い脚でかわいいんだよ」

犬は好き。

子供のころ2匹飼っていたっけ。

数年前に死んでからは、ペットは飼ったことがないけど、でも犬は変わらずに好きだった。

「今日もつれてきたらよかったのに」

ペットの話を、とてもうれしそうにしてくれるので、私も会いたくなってしまった。

飛田さんにそんな顔をさせる犬に、少しだけやきもち焼いちゃったりして。

「会いに、行く?」

私の顔を覗き込みながら、立ち止まった飛田さんが私に問いかけてきて。

もちろん、会いに行くっていうのは、飛田さんのペットの犬のことよね?

それって、飛田さんの家へ行くってこと?

私の手を握っている手に、ぎゅっと力が込められて。

ドキドキと鼓動が速くなっていくのがわかる。

きっと、私の顔も赤い。