Memories - 年の差恋愛 -

私の右手は、変わらず飛田さんの左手の中に包まれたままで。

飛田さんの楽しいお話に笑いながら、車はどんどん進んでいった。

40分くらい経っただろうか。

「わ、きれい」

飛田さんが車を止めた場所は、大きな河川敷にある駐車場で。

「ちょっと、散歩しようか」

車から降りると、助手席側へ回ってくれた飛田さんが、私に手を差し伸べてくれた。

少しだけ戸惑いながらもその手を握ると、そっと私を自分の方へ引き寄せてくれて。

少しだけ開いていた二人の間から、空間がなくなってぴたっと体が密着した。

思わず飛田さんを見上げると、やさしい笑顔で私を見降ろしてくれていて。

「行こうか?」

海に続くこの川は、もう数キロ下って行くと海、という場所で。

きれいに整備された公園になっている川沿いを、散歩コースに沿って二人で歩く。

道沿いに季節の花や植物がきれいに植えられていて、犬の散歩をしている人も多かった。

「素敵なところですね」

家からそんなに離れているわけじゃないのに、こんな場所があるなんて知らなかった!

太陽の光に照らされた川が、宝石のようにきらきらと輝いていて、少しまぶしいのも新鮮。

「静かだし、いいだろう?今度は犬を連れてこようかな」

「え、飼ってるんですか?」