手ぐしで頭を直すしぐさをしながら、飛田さんをちらっと見ると、満面の笑みで私を見ていて。
「はは。ごめん。でも、かわいいね」
今度はそっと、頭の上に手を乗せてくれた。
緊張するけど、安心できる大きな手。
頭から離れたその手は、私の右手をぎゅっと握ってきて。
そのままシフトレバーに私の手ごと移動して車を発進させた。
「さあ、どこへ行きましょうか?」
てっきり行き先は決まっているものだとばかり思っていた私は、飛田さんの言葉にとっさに返事ができなくて。
「佐智子ちゃん?」
赤信号で止まったタイミングで、飛田さんが黙っている私の顔を覗き込んできた。
か、顔近いですって!
車という密室の中だけど。
外は明るくて歩行者だっているのに。
ちょっと動けば触れることができる距離に、誰かに見られているんじゃないかとひやひやしてしまう。
「や、えっと、え?」
挙動不審な私を見て、飛田さんはくすくすと笑いながら青信号を確認して再び車を発進させた。
「どこでもいい?」
「はい」
「はは。ごめん。でも、かわいいね」
今度はそっと、頭の上に手を乗せてくれた。
緊張するけど、安心できる大きな手。
頭から離れたその手は、私の右手をぎゅっと握ってきて。
そのままシフトレバーに私の手ごと移動して車を発進させた。
「さあ、どこへ行きましょうか?」
てっきり行き先は決まっているものだとばかり思っていた私は、飛田さんの言葉にとっさに返事ができなくて。
「佐智子ちゃん?」
赤信号で止まったタイミングで、飛田さんが黙っている私の顔を覗き込んできた。
か、顔近いですって!
車という密室の中だけど。
外は明るくて歩行者だっているのに。
ちょっと動けば触れることができる距離に、誰かに見られているんじゃないかとひやひやしてしまう。
「や、えっと、え?」
挙動不審な私を見て、飛田さんはくすくすと笑いながら青信号を確認して再び車を発進させた。
「どこでもいい?」
「はい」

