「彼氏がいないって聞いて、我慢できなくなった」

そっと、大きな温かい手で私の頬をなでてくれる飛田さん。

その手が気持ち良くて、思わず目を閉じてその手に顔を任せてしまう。

「好きなんだ・・・」

そっと、飛田さんの吐息が私の顔に感じるくらいの距離に近付いてきて。

「好き・・・」

私も、好き・・・。

私の口から洩れた言葉は、続きを発することなく飛田さんによってふさがれてしまった。

優しく触れあった唇に、もう離れたくないとさえ思えてしまう。

私から見たら、すごく大人に感じるのに。

でも、そうでもないのかな。

人を好きになるのに、年齢は関係ないのかもしれない。

今、私を抱きしめていてくれる彼が、年上だろうが彼は彼で。

私も、無理に背伸びしなくてもよさそう。

そんなことを考えながら、彼の腕の中で幸せに浸っていた。