Memories - 年の差恋愛 -

「彼氏、居ないんだよね？」

突然の質問に、どきっとしながらも飛田さんを見ると。

前を見たままの飛田さんの横顔が、ドキドキするくらい素敵で。

ああ、私この人のこと好き・・・なのかも・・・。

「ね、佐智子ちゃん？」

黙ったまま彼を見つめていたからか、私の方を見て首をかしげるようにして名前を呼んだ飛田さん。

「え、え？」

彼の質問なんて、まったく頭に入っていなくて。

自分の世界に入っていた私。

「居ないなら、問題ないよね？」

すっと伸びできた飛田さんの右手に、体がびくん、と反応してしまう。

「え、や・・・」

頭の後ろにまわされた飛田さんの手によって、彼の方に引きよせられた私だけど。

反射的に、両手で彼の胸をそっと押し返して距離を保とうとしてしまった。

「・・・だめ？」

まるでおねだりをするかのように、私を見つめているその瞳に吸い込まれそうで。

とたんになんだか怖くなってしまった。