Memories - 年の差恋愛 -

結局。

どこかでお茶をするでもなく、飛田さんのナビによって知らない道をしばらく走って。

夜、初めての道を運転するのってすごく緊張するけど、会話も楽しいし、気が付くと小高い丘のようなところを登り切り、展望できる広場のような所に着いた。

周りを見ると、そこは山の上にあるゴルフ場の駐車場のようで。

夜も遅いので、当然ゴルフ場はもう閉まっていて真っ暗だった。

「こんなところがあったんだ・・・」

「知らなかった?」

飛田さんの指定する駐車スペースへ異動させると、目の前に広がった景色にびっくりして思わず声をあげてしまった。

「うっわー!ちょ、すごい!すごいですぉよ!」

思わず、横にいる飛田さんの腕を掴んでしまった。

目の前に広がったのは、住宅街のはずなのに、とてもきれいに見える夜景。

向こうの方で動いている光は、電車だわ。

あまりにきれいな景色に思わず見とれてしまう。

「こんなに近くなのに、素敵な景色を見ることができるなんて、知りませんでしたよ!」

興奮して飛田さんを見ると、にっこり笑ったままこちらを見ていて、目がばっちっとあってしまった。

「あっ・・・」

ふと我に戻り、触れていた手を離して目の前の景色に向きなおる。

やだ、ちょっと気まずいかもぉ・・・。

どうしたらいいのかわからなくなってしまって、目の前にあるハンドルをぎゅっと握りしめてしまった。