恋のどれい



草の中で遊んでいる小学生が、あたしの後ろからついてくる。



あたしはその小学生にしっ、と口に指をあてて合図した。




きょろりと前川くんを探す。



はれ…いない。




立ちあがって、捜そうと思った。



「きゃ…」


後ろから手。


あたしを動けないようにあたしの体に抱きついた。




どっかの親父とかなら、ビンタとかウルトラキックとかするはずなんだけど。



抱きついている相手は前川くん。




「ばーか」


「どうして…」



バレたのぉぉおぉお~!!



あたしの後ろからついてきていた小学生があたしたちを見て頬を染める。





「バカップルだ…」


とつぶやいた。