「あ・・・これが僕の大切なもの!」



 比呂がポケットから出したのは、キラキラ光る虹色のスーパーボールだった。



 「おまえな〜・・・」



 「いいわ。受けましょう」



 「おい!」



 またも少女は男の言葉を無視して、机の中からザラ版紙と朱肉を出した。



 「さあ、ここに拇印を押してください」



 少女はかわいらしい笑顔で微笑んだ。



 比呂は催眠術にかけられたように、フラフラと机に近づき、朱肉に親指を付けてその紙に押し付けた。



 「では、あなたのお姉さんについて調査いたしましょう」



 少女は左手に紙を取り、右手でスカートを引き上げお辞儀をした。