「…そういうの、良くないよ…」

「え…?」

「自分の気持ちに嘘ついて、生きていくのはよくない」



4年っていう時間は、あたしと北斗が一緒にいた時間の何倍も長い。



あたしでさえ、まだ吹っ切れてないのに…

たった一日の温もりだけで、簡単に清算できるような時間じゃないでしょ?




「今日寂しさを埋められたとしても…

明日は?明後日は…?

誰が純平君の心を癒すの?」

「…………」

「…自分の力で、立ってなきゃダメだよ。自分の足で歩かなきゃ…」



強くならなきゃいけないんだ。



それは、あたし自身に言い聞かせている言葉でもあった。



人は弱い生き物で、誰かが隣にいないと生きていけないものだけど

ただ甘えながら生きるのと、支え合って生きていくのとは違うから。