俺は、なんとなく…
もうすぐ自分が人生の終着地点についてしまうような気がしてならなかった。



このままいけば、俺は円の幻影にとり殺されるだろう。



「ねぇ、もしも俺が死んだら…線香くらいあげにきてね」

「は?お前まさか…変な事考えてんじゃねぇだろうな?」


俺のらしくない一言に、中野の表情が強張る。


「俺さ…最近毎晩、夢を見るんだ」

俺が何処にいても、必ずそこには円の姿があって…

気味の悪い笑みを浮かべながら、俺に手を招く。

「きっと、あっちで一人ぼっちだから寂しいんだよ。最初は何でこんな夢見るんだろうって不思議だったけど…
もしかして、俺を連れていこうとしてるんじゃないかって思うようになってさ」

「どうしちゃったんだよ、お前…。片桐はそんな奴じゃねぇだろ!?
お前が一番よく知ってるはずだよな!!?」