9月も後半に差し掛かった某日、樹里が18回目の誕生日を迎える。



観覧車に乗りたいという彼女の希望で、今日は隣町の瓦坂に遊びに行く予定だ。


この瓦坂という街は、俺にとって消し去りたいくらいの忌まわしい過去や
思い出すと胸がうずく程の辛い思い出が沢山あって


少し前までは正直、この地に足を踏み入れる事すら抵抗があった。



でも、今は違う。


樹里と出会って、少しずつ、俺の傷は癒されようとしていたのだ。