得意な奴は得意だろう。


夜景が見える高級レストランを貸しきって、ダイヤのついた指輪をこっそり用意し、100本のバラの花束を手に、高級外車で彼女を迎えに行く――…。

「お前は石田純一かよ!」

「え?違うの?」

「お前…なんかズレてるよな…つうか片桐先生んときはどうしてたわけ?」

「えっと…どうしてたっけなぁー?あいつは休み自体少なかったから後日改めてささやかにケーキ食うくらいの事しかやんなかった気がする…」

「それでいんじゃないの?普通にいけよ、普通に」

「それが普通なの?あいつそれだけじゃ怒りそうじゃない?」

「気持ちがこもってれば大丈夫だよ」

「そっかぁ―――…じゃあせめてプレゼントはダイヤの指輪に<FONT size=6>「重いからやめれっ!!」</FONT>

「じゃあ何だったらいいんだよ」

「本人に聞きなよ…」



そっか、そうだよな!
本人に聞くのが一番だよな!


あいつダイヤって顔じゃねーし!




「なぁんか俺も彼女ほしくなって来ちゃったなぁ…」


中野がボソッと呟いた。