改札口の彼に。

しばらく、うつむいたまま肉まんを食べてみる。

私の存在に気付いているかな。。境木先輩のいるであろう方向を、見ることができない。

どうしよぉぉ。歩〜まだ?
心の中で歩を呼ぶ。



小走りに近寄る足音、あっ歩だぁ。さすが歩、ホッとした。

「ミミ〜。アユミね、加藤先輩と、津田沼にある予備校みてくる!ママが一年生のうちから予備校行けってうるさくて。」

「はい??予備校?」

「加藤先輩、予備校通ってるんだって。今から案内してもらってくる〜!あっ、この特急乗るね!じゃね!」

歩は走りながら加藤先輩に駆け寄り、一緒に特急電車に乗っていってしまった。
長い髪が、嬉しそうに跳ねる後ろ姿だけが目に焼き付いている。