改札口の彼に。

「うわー来た来た!ミミあの人!加藤先輩の横」

歩がはしゃぎながら、私の耳元で話す。

駅のホームへ続く階段。

長身のスラッとした男子生徒が2人、階段を下ってくる。

おそらく境木先輩だろう右側の彼が
視界に入った瞬間、目がはなせない。

学ランの第二ボタンまで開けた首元に
バーバリーチェックの紺のマフラー。

目線を上げると
柔らかそうな髪に切れ長の瞳、口角のやや下がった薄い唇、高い鼻。

(どこかミステリアスで。。
いや。なんとなく

寂しげ

本当に綺麗な顔してるな。)


孤高の王子。

そんな印象。