改札口の彼に。

「ミミ!ちょとー大変。大変!」

長い髪を揺らしながら歩(アユム)が駆け寄る。

ミーハーな歩のことだから、また校内のアイドル、加藤先輩がどーのこーのっていう、くだらないスキャンダルネタかと思った。

校内のアイドルとかスターとか、所謂イケメンに興味は全くない。
また、長い話を聞かされるのかと思うとうんざりする。

私は、帰り支度の途中。昨日の夜更かしのせいで、今日は体がダルい。
早く帰りたい。

「も〜歩、なぁに?」

「あー今帰りたいなって思ったでしょ?
いいのかなぁミミちゃん?
今日はね加藤先輩の話じゃないんだよぉ
ミミちゃんにプレゼントなんだよぉ」

ニヤリッと笑いながら彼女は腕をからめる。