改札口の彼に。

改札を境木先輩のちょと後に抜けて、駅の階段を下る。

彼の姿はもうない。

明日また会えたりするかな。



階段を下るリズムに合わせて、制服の裾が揺れるのをなんとなく見ていた。

短い丈のおかげで、ヒラヒラとテンポよく揺れるスカートを見ていると、憧れの高校生になった実感がわいてきて、今でも少し嬉しくなる。


これで素敵な恋でもできればいいのにな、、、




「あっ。ちょっと」


階段を下る途中の踊場で、不意に背後から声がした。びっくりして振り返ると、境木先輩が私の肩をつかんでいた。

「はっ…はい?」

「…ごめん。歩から、番号きいちゃったんだ。今夜電話する。いいかな?」

つかんだ肩を離しながら彼はそう言うと、足早に駅の階段を昇り反対側の出口へと消えていった。

「はっはい。。」

って境木先輩、返事きかないで、帰っちゃった。。

いくらなんでも、いきなりすぎる!しかも一方的!!

なのに、、


気がつくと、顔に血が上って、私は今まさに色づいた果実のようにツヤっぽい真っ赤な頬をしているに違いない。

どーしよ。

今夜、彼から電話がくる。。。