ちょっと眉を寄せて問い掛けると、樺乃は困った顔をしながらも勢いよく首を横に降った。 『違うよ?あの、言いたくないんじゃないよ?』 俺のブレザーの裾を引っ張って見上げて来る樺乃に、思わず許しちゃいそうになる。 『ダメだよ、柚杞』 黙ってこっちを見ていた香汰が口を挟んで来る。 『何がダメなんだよ』 『今のは、俺と樺乃ちゃんの秘密だから。ね?樺乃ちゃん』 俺と香汰を交互に見ていた樺乃は香汰に問い掛けられ、俺の顔色を伺いながら小さく頷いた。 …なんだよ、秘密って。