突然そんなことされたから、私はビックリして体を強ばらせ、再び視線を落とす。
何度か毛先まで指を通した神崎先輩は、再び頭を撫で始めた。
「………ねぇ、キスしていい?」
「いやっ……」
「だよね。こう立ち位置って気にするよね、うん。もっとこう、右に動けば、ちょうど俺と優衣ちゃんの間に夕陽が――」
………え?
私、別に雰囲気とか関係なしに、ただ単純に『キス』が嫌だったんですけど。
っていうか、そんなドラマチックに演出していただかなくても。
ポカーンと呆れる私を無視して、微調整するのは止めてもらえませんかっ!
神崎先輩の手が腰から離れたのを見計らって、身体を半回転させた。
「あれ、何やってるの?もしかして、後ろからギュウしてほしいの?」
「ちっ!!……違います」
「じゃあ、怒ってる?ちゃんと雰囲気考えなかったからなぁ」
「それも違いますけど……」
ホントに?と長く意外と筋肉質な腕が両肩に乗り、巻き付く。
結局抱きしめてるじゃないですかっ。

