「ゆーいちゃんっ。は・や・くっ」
語尾に星マークが飛びそうなほどの甘く弾けた声に、とろけてしまいそうな微笑み。
そそそっ!
そんなことしたって、私は神崎先輩の胸の中になんて行きませんよっ?!
「………まだダメ、か」
そう呟いて、神崎先輩は強引に私を胸の中に閉じ込めた。
決して慣れることのない神崎先輩の香りと温かさに酔ってしまう前に、私は必死に両手で神崎先輩の胸を押す。
そんな私の行動を感じてなのか、ことさら腕に力を入れる。
「………く、るしっ……」
「だって、優衣ちゃんから抱きついてくれないんだもんっ」
「そんなっ……」
少し腕の力を緩めた神崎先輩は、片手で私の頭を撫で髪に指を通す。
それも、飼っている犬や猫みたいに優しく毛並みを整える感じ。
「優衣ちゃんの髪の毛、柔らかいね」
「とりあえず離してくださいっ」
「甘い匂いするけどシャンプー?」
「ちょっ!?聞いてるんですか?!」
バッと下から見上げれば、いたずらっ子のように笑う神崎先輩。
すっと目を細めたと思ったら。
「聞いてるよ……?」
なんて耳元で囁いた。

