「二人が所属してるオーケストラのCDなら……」
「あっ。でも、俺クラシックとか分かんないや」
「そうですよね」
ニッコリと歯を見せて笑う神崎先輩は、若干幼く見える。
そんな神崎先輩は、白が基調の柱時計をちらりと見てから「では、俺は帰ります」と一言言って立ち上がった。
「そう?また来てね」
私と神崎先輩を交互に見て、クスクス笑う彩織ちゃん。
「二階に行ってるから、ね?」
相変わらずクスクス笑いながら、最後の一言は神崎先輩に向けられていたらしく、神崎先輩は笑顔で答えていた。
彩織ちゃんと神崎先輩、意外と打ち解けてた気がする。
鍵を開けてドアを押して外に出ると、柔らかい夕陽に目を細めた。
「神崎先輩。今日はありがとうございました」
「どういたしまして。ほらっ」
………『ほらっ』って。
どうして両手を広げて、こっちを見てるんでしょうかっ!

