マジックストーン



「ねぇ、彩織ちゃん。神崎先輩からケーキもらったの。一緒に食べよう?」

「……えっ?!そこのケーキ買えるのっ!?っていうか、今日優衣ちゃん誕生日だっ」

「彩織さん、もちろん買えますよ」

「どのくらい並んだの?」

「並んでませんよ?」

「……は?」

 何言ってるの、この人、みたいな感じで眉を寄せて神崎先輩を見やる彩織ちゃん。

 うん、やっぱりおかしいよね。

 あんな行列を差し置いて、しかもオーナーさん(多分だけど、ぽいよね?)から直々に品物を手渡されるなんて。

「まっ、まあ、いいじゃないかなぁ彩織ちゃん。そうだ、紅茶飲みながらがいいよね。紅茶ってこの棚だっけ?」

 なるべく早口で言い切り、彩織ちゃんに笑顔を向ける。

 そんな私を見て彩織ちゃんも、大人っぽい笑みを返した。

「そうね。優衣ちゃん、紅茶はその右隣の棚で、左の扉にあるよ」

「はーい」

 軽く返事をして棚に手を伸ばした。