「梨海ちゃんの全面協力の下、神崎祥也は優衣ちゃんと恋仲になりますっ」
「なりませんっ!!」
梨海ちゃんは、私の『唯一』の味方だと思ってたのにぃ……。
手をヒラヒラさせて、神崎先輩に連れていかれる私を見送る梨海ちゃんは、心底楽しそう。
人の不幸はなんちゃらって言葉、今の梨海ちゃんにぴったりですっ。
連れてかれるまま、玄関で靴を履き替え、当たり前のように私の手を奪って歩きだした。
もちろん、手を振りほどこうとしたけど、私の力じゃ到底及ばない。
それに、男の人と手を繋ぐなんて事も未経験な私にとって、大きな手のひらに包まれてる自分の手が心臓になったのではないかと思うほど、緊張していた。
ぐいぐいと私を引っ張る神崎先輩の横顔を盗み見し、梨海ちゃんが言ってたことをリピートする。
通った鼻筋に、ぱっちりとした二重の瞳、まつ毛だってきっと私よりある。
……かっこいいとは思うけど。

