マジックストーン



 でも、私にはその『好き』という感情が神崎先輩に対して無い。

 だから――

「返事なんて聞かないから安心して?」

「え?」

「だって、優衣ちゃんの気持ち知ってるもん。優衣ちゃん、俺のこと大好きだもんねっ」

「なっなっなーっ!!?」

 『ねっ』って何ですかっ!!

 私がいつ神崎先輩にそんなこと言ったのか教えてくださいっ。

 それに、またぎゅっと抱きしめる力を強くして、私の頬にきっキスするのもやめてーっ!!

 私は必死に身を捩って神崎先輩の腕の中から逃げ出した。

「あっ、そうそう。優衣ちゃん、お誕生日おめでとう」

「えっ?あ、ありがとうございます……。って何で神崎先輩が知ってるんですかっ」

「優衣。あたしが神崎先輩に教えたのよ」

「梨海ちゃんっ?!」

「ほら、あたしって人の恋路は邪魔出来ない人だからねぇ」

 梨海ちゃんが神崎先輩に情報提供しちゃったら、私の個人情報とかプライベートとか筒抜けじゃないっ。

 個人情報保護法って何のためにあるの!?

 きっと、こういう時に必要なんだと思うけどっ!!