マジックストーン


「え?あ…梨海ちゃん、どうしたの?」

「『どうしたの?』じゃないでしょっ!!もう授業終わったんだけどっ」

「うっそ!」

 気付けばもう掃除の時間になっていて、ガタガタと机を運ぶ音が教室に響いていた。

 欠伸を噛み締め掃除を済ませば、すぐに放課後がやってくる。

「梨海ちゃん、バイバ――」

「は?」

「え?な、何?」

「放課後、空けといてって言ったよね?」

 ……言ってたような、言ってなかったような……。

 ちらり、と梨海ちゃんを見れば「覚えてないの?」を含んだ笑みを浮かべていて。

「はいっ、言ってました!」

「忘れてたんだ。まぁ、別に良いけど」

 梨海ちゃんが「じゃあ、行こっか」と言ったのと同時に。

『キャアァァァ!!』

 廊下から凄まじい黄色い声に、教室の窓ガラスが震えた。