“好き”だと自覚してしまうと、どうも何もかも上手く出来なくなってしまう……らしい体質の私は、ぼーっとしてしまうことが多くなるみたい。
例えば、その“好き”だと自覚した日なんて、彩織ちゃんに肩を叩かれるまでずっと玄関先で立たずんでいたみたいだし。
その次の日なんて、もう最悪。
そういう日に限って、授業でよく当たっちゃうの。答えられればいいんだけど、なかなか答えられないし。
「――じゃないの? ……優衣っ」
「え? わたし?」
「はあ。一体どうしたって言うのよ。何がどうなったら、そんなに覇気がなくなるわけ!」
呆れ顔の梨海ちゃんは斜め上に一つに結ったくるくるの髪の毛を揺らしながら、私に聞いてくる。
「どうしてだろうね」
「神崎祥也は優衣のこと好きなんだから、優衣の気持ちを言えばまあるく収まると思うけど」
「そんなこと言ったって……」
「そろそろうるさいのが来るわよ」
お邪魔虫は帰るわ、と早々と踵を返し教室を出ていった梨海ちゃんと入れ代わりで、職員室から帰ってきた舞希ちゃんが入ってきた。
すでにクラスの大半の子と打ち解けた舞希ちゃんは、入れ代わりの友達に、ばいばいっと手を振っている。
私と正反対な社交的な舞希ちゃんらしいなって少し羨ましく思ったのは内緒。

