後ろから声がして、驚いて振り返った。そこには、細めの黒フレームの眼鏡を外して、目を擦る石谷先生がいた。
「石谷先生どうして……」
「俺も帰る途中。 で?聞くけど、神崎のことどう思ってるわけ?」
「私……」
「言わなくていい。やっと気付いたってわけだろ」
私、気付かないうちに神崎先輩のこと好きになってた。いつからだったのかすら分かんないほど、本当に自然と好きになってた。
「でも、気付くのが遅かったんじゃねーのか?」
「遅い……?」
「言っただろ、えさをばらまいても食い付かない獲物には諦めがついてくるってな」
っあ。だから……だから、神崎先輩は『ホントに優衣ちゃんって俺のこと好きじゃないんだね』って言ったのかな……?
「じゃあ……っ」
「さあ、どうかな。本人に自分の気持ち言って、確かめればいい」
「確かめるって……それは」
「まあ、大胆に椎葉からキスして好きって言えば丸く収まる」
きっ……でも、私にそんなこと出来る?キスして好きって言うだなんて……。
「出来ないと、あいつはどんどんお前から遠ざかってくよ」

