アタリ、と私の頭に大きな手のひらを乗せ「ずいぶんとハレンチな格好だね」と歯を見せた。
「いや……これは、その……文化祭の所為でして、私が着たいから着てるなんてことは全然なくて。えっと、お友達が勝手に……」
「でもいいんじゃない?似合ってるし」
嬉しくないです! そう言おうとしたとき、『もし、敦司と会うようなことがあったら、必ず俺に連絡して。絶対に1人で会わないでほしい』神崎先輩に言われたことが頭に過った。
携帯は持ってる。だけど、もう会っちゃってるし。約束破っちゃってる……。
「似合ってないですから……。わ、私、教室に戻らなきゃいけないんです」
「送るよ?」
「だ、大丈夫です。加賀美さんも文化祭楽しんでくださいね」
ぺこっとお辞儀をした私はドアから頭を出し左右を確認後飛び出した。
早く……早く教室に帰らなきゃっ。
棒になった脚を必死に動かし、廊下を走り階段を上る。
もう無理っ。ていうかどうすればいいのかな?このまま逃げて教室戻ったってさっきの人たちが教室に来たら終わ――
「いたぞーっ!!!!」
――ひぃっ!!

