マジックストーン


 あれ?これ、どっかで聞いたことあるような……えっとー。――あっ!!神崎先輩だっ。

 確か、あの時は……遊びに行くとか言われて断ったら、抱きつかれたんだよね?! で、ヒレツとか優しくリードとかよく分かんないこと言われたんだっけ。

 ――え?! てことは、断ったら同じことされちゃう?!

「えっと……その……」

「行こうよ。俺たち3人だから、あと友達2人連れてきてくれるだけでいいし」

「いや、あの……」

「カラオケ行こーぜっ」

 にににに逃げるしかないっ!!!!

「しっ、失礼しますっ!」

 がばっと頭を下げて勢い良く上げて、私は踵を返し走りだした。とりあえず、知ってる人がいそうなところっ。

 うわーんっ!今日は走っちゃダメだって決めたのにぃっ! で、でも!仕方ないよねぇ?! 何だか一大事な気がするんだもんっ。

 ……やばい。息、上がってき――

「――っあ。ごめんなさいっ」

 疲れてきた私は誰かにぶつかってしまった。それも、おもいっきり。

「ホントに、ごめんなさいっ」

 しっかり頭を下げて謝った後、再び走り始めた。しばらくして、膝に手をついて振りかえ――

 ――ひぃっ!! まだ追っかけてくるっ!