マジックストーン


 何って言われても。私――

「祥也のこと、どう思ってんだ」

 ――神崎先輩のこと、考えてた……?

「どうって言われても……分からない、です」

「好き嫌いかくれえ分かるだろ」

 好きか嫌いか。さっき神崎先輩に大キライって叫んだ手前、嫌いなんだろうけど……あれ?私――

「神崎先輩のこと、きらい、じゃない?」

 あんなこと言われたのに。意地悪されたのに、私……。

「じゃあ、好きなんじゃねーか」

 「ちがっ!!」声を上げながら振り返った私は「……すきでもないんです」と俯いた。

 自分でも分からない。“すき”って何なんだろう。

 梨海ちゃんも舞希ちゃん、彩織ちゃんにお父さんお母さん。それに、勇先輩もタカジくんも。みーんなすき。だけど、神崎先輩はすきじゃない……どうして?

「椎葉こっち来い。早く」

 岩佐先輩に近づくとぐいっと引っ張られ腕の中。声を上げようとしたら手のひらを口に押しつけられた。パニックになる私を無理やり壁ぎわに追いやって押した。

 「静かにしてろよ」と言われたのと同時に、屋上の扉が開いた。

「優衣ちゃん来なかったっ?!」

 今、そこに、神崎先輩がいる――