マジックストーン


「初めましてじゃないんだけど?」

「……え?」

「まぁ、いいや。この後、ヒマ?遊びに行こうよ」

「ひっ、暇じゃないですっ!!これから職員室行くのでっ」

「職員室なんかどうでもいいじゃん。今から俺と遊びに行こうって言ってるんだよ?」

 ななな、何この人っ!!

 私、職員室に行くっていいましたよねぇっ?!

 それに、何で初対面の人と遊びに行かなくちゃいけないんですか?!

 私が驚いているのを見てなのか、神崎先輩はさらに優しい微笑みを私に向け、ふわり、と抱きしめた。

 ……と、同時に黄色い声の渦に飲み込まれた私。

「っ?!!」

「そんなに恐がらないでよ。俺って、すぐ取って食うような卑劣な男に見える?見えないよねぇ」

「意味分かんないですっ」

「ダイジョウブ、ダイジョウブ。ちゃんと段階を追うし、そういうコトは優しくリードしてあげるから問題ないよ」

 とっても!
 とっても、甘く優しい声なのはよおく分かりましたっ。

 ですけどっ!
 『ヒレツ』とか『そういうコト』とか『優しくリード』とかっ。