だから苦手なのよ!と私に抱きついた梨海ちゃんはため息をつく。
「ねえ」と梨海ちゃんは私から離れて首をかしげ、「どうして神崎先輩ん家にいるのよ」
ギッと梨海ちゃんが睨む先はもちろん神崎先輩で「お持ち帰りってわけじゃないわよねえ?」と疑いの眼差し。
「俺はちゃーんと梨海ちゃんとのお約束守ってるって! それに、優衣ちゃんが帰りたくないって言ったんだもんねー」
すっと私の腕を引っ張り優しく抱きしめた。
「さすがにここには泊められないからね。梨海ちゃんを呼んだってわけ」
「優衣……あんた……」
「り、梨海ちゃん……?」
明らかに怒ってますよねえっ?!どどど、どうしてっ?めらめらと梨海ちゃんの周りに見えるのは気のせい――
「あんたから誘ってどうすんのよーっ!」
――じゃなかったぁあああ!
「神崎先輩じゃなかったら優衣食われてるわよっ?! ホント、もうっ! 自分の可愛さとか男はみんなオオカミだってこと、どうして学ぼうとしないのよっ」
私の両肩を掴みがくがくやる梨海ちゃんは、はあっと呆れてるみたい。頭が痛いのか額を押さえてるし。
まあまあと柔らかく言う神崎先輩は私の頭に唇を押しあてた。

