マジックストーン


「ゆっ優衣ちゃんっ?!俺のこと誘ってんの?ていうか、俺のこと好きになってくれたの?」

 ぱちぱちと瞬きを繰り返す神崎先輩は私の肩に手を置いて、じっとその黒い瞳で私を覗く。

「……へ?」

「……うん。そうだよね、優衣ちゃんだもん。帰りたくないっていうのが恋人の別れ際とか、もっとずっと一緒にいたいとか思って言うことって、どうせ知らないよね……。あんなことやこんなことももちろん知ってるわけないだろうし」

 ぶつぶつと呪文を唱える神崎先輩は何度も深いため息をついていた。

「私神崎先輩のこと好きじゃないですよ?」

「だーかーらー!どうしてそんな可愛い顔でさらっとヒドイこと言っちゃうかなあっ!」

 はあっとため息をついた神崎先輩はややあって「ついてきて」と私の頭を撫でた。

 何故か手を握られ、さらに無言のままタクシーに乗せられてやってきたのは学校近くのマンション。

「俺、シャワー浴びてくるからキッチン……ああ、入って右ね。冷蔵庫から好きなの取ってソファーで待ってて」

 マンションの一室――神崎先輩のお家だと思われるところに入ってすぐそう告げた神崎先輩はすでに上半身裸で。