「うんっ。待ってーっ!」
梨海ちゃんのくるくるでふわふわのポニーテールがリズムよく揺れる。
それを追い越して梨海ちゃんの顔を覗けば、にこりと微笑んでから、
「面白い試合になりそうね」
と、私の髪の毛を解かした。
「……どうして?」
その解かしてもらった髪の毛を耳に掛けながら、私より背の高い梨海ちゃんを見上げると、梨海ちゃんは「優衣はさ」と口を開く。
「どっち応援するの?」
梨海ちゃんが指さした方向を見たのとほぼ同時に試合開始のブザーがなった。
そしてそれとともに、
『キャァァアアア!!!!!』
『祥也せんぱーいっ』
『タカジくーんっ』
『勇せんぱーいっ』
女の子の甘く黄色い声が飛びかう。
体育館の一番右側のバスケットコートには、青色のビブスを着た神崎先輩と勇先輩、赤色のビブスを着たタカジくんとクラスの男の子。
……あれ?タカジくんの言ってた優勝候補って神崎先輩達のクラスのことだったの?
「優衣はクラスに勝ってほしい?それとも神崎先輩とデートしたい?」
「それって……」
「まあ、あたしはクラスを応援するけど」
タカジ頑張れー! と応援し始めた梨海ちゃんはなんだか楽しそう。

