マジックストーン


「おっ。梨海と優衣やん。神崎と知り合いやったんか? て……優衣と神崎は付きおうとるもんな」

「違いますっ。もう……勇先輩までそんなこと言わないでください」

「噂はデマっちゅうことか。信用ならんなあ」

 両手を使って肩を竦める勇先輩は呆れたような表情を浮かべた。

「噂じゃなくさせるのが俺の夢だから」

「はいはい。 それより神崎。試合やで、試合」

 神崎先輩の夢をあっさりと流した勇先輩は、ボールを弾ませる動作をした。

「えー試合ー?勇がいれば勝てるんだから俺行かなくていいよねー?まだ優衣ちゃんといた――」

「神崎先輩、バスケ出るんですか?」

「え?もしかして応援してくれるの?」

 目を見開いてそう聞く神崎先輩は、えさを待つ犬みたいに目が輝いている。

 特に応援しない理由も見当たらない私は、こくんと首を縦に振った。

「ホントに?」

「ダメなんですか?」

「えっ、じゃあ俺頑張っちゃお。スリーポイント、MVP取れちゃうんじゃないかってほど入れてこよっ」

 隣と前で「……単純」って梨海ちゃんと勇先輩が呟いてたけど、神崎先輩には聞こえてないみたい。