タカジくんは「なっ?」と私ににこりと笑顔を見せてから、うーんと両手を突き上げて伸びる。
「さあて、おれは優勝候補を潰してこようかな。 優衣……と梨海応援よろしく!」
「頑張ってタカジくん」
隣で「おまけ扱いしないでー」と不貞腐れたような梨海ちゃんの声が聞こえる。
にかっと笑って手をひらひらしながらバスケットコートに向かうタカジくんはなんだか輝いて見えた。
「そういえば神崎先輩って何に出るんですか?」
「祥也って呼んでって言ったじゃんっ」
「神崎先輩は先輩ですからそんなこと出来ませんっ」
「滝本だけずーるーいーっ」
そう言って口を尖らせる神崎先輩はおもちゃが欲しくて駄々をこねる小学生みたい。
そんな神崎先輩を「おーいっ。神崎〜!」と大柄な男の人が呼びながら近づいてきた。
あっ………。
『勇先輩っ!』
私は隣にいる梨海ちゃんと一緒に指を刺しながら叫んでしまった。
阿部 勇(あべいさむ)先輩は小中と一緒で顔に似合わず世話好きで何故か関西弁の先輩。
確か小学5年の時に関西地方からこっちに引っ越ししてきたらしく、いまだに関西弁が残ってる、らしい。

