恥ずかしい、けどどうしても側にいてほしかったの。
たぶん、頭を撫でられるのが気持ち良かったから、かもしれない。それに大きな手で撫でられるのは初めてのことだから。
神崎先輩なら、と思ってたのが悪かったのかな?物凄く驚いた顔をした神崎先輩に驚いて、手を引っ込めてしまった。
「………あっ、ごめんなさい……。授業に戻って下さい……」
自分でも分かるくらい顔が赤い。だから、布団を口元まで引っ張ったの。
どうしよう……困らせちゃったかな……神崎先輩、何もしゃべらないし……。
やっぱり迷惑だったよね?それに、頭良いからって授業は大切だもん。
わあーっ。こういう時って謝ればいいのかな?そ、そっか!神崎先輩が立ち上がってから、謝ればいい、よね?
待てども待てども、席を立つ気配がない神崎先輩は、自分の手のひらを凝視していて。
「………神崎先輩?」
恐る恐る神崎先輩を呼びながら、視界に入った。
――途端
カッと顔を赤くした神崎先輩は、手の甲を口に当てた。

