ぎこちなく、頭を撫でると、今度は手を引っ張られた。
こんなに泣いてたら、教室に戻るわけにもいかず、
向かった先は図書室。
「オレさ、図書委員の女の子から鍵もらっちゃったんだよね〜」
ドアの前で鍵をポケットから取り出すと、
鍵に付いてる紐を人差し指に通して、クルクルと回しながら自慢気に言う。
あたし、図書室来たの初めてかも。
1歩足を踏み入れれば、感じる独特な紙の匂い。
いくつかのテーブルと椅子が、綺麗に並べられていた。
そのうちの、窓際の椅子に腰掛ける。
知らなかったな。
図書室から見える景色が、こんなに素敵だったなんて。
「女の子は笑顔のほうが可愛いんだぜ?
まあ、みくるちゃんの泣き顔には萌えるけど」
太陽は椅子に座らず、あたしと目線が同じになるように中腰で話しかけてくる。
「変態」
「うっわ〜‥
はっきり言うね〜」
だって、
「太陽はニブいから、はっきり言わないとダメなんだもん」
今はキツいこと言ってなきゃ、あたしが、おかしくなりそう。


