「え?」
今まで、ちゃんと黙ってたけど、つい声が零れた。
心配すんな、って、
そりゃ不安にもなるよ。
あたし、どうすればいいか分かんないし。
「いつも通り、笑ってろ。
絶対、おまえは俺が守る」
不意打ちだ。
こんなセリフ、不意打ちだよ、翼。
「なっ、べ.別に、あたしは守ってもらわなくてもっ」
最近は、大丈夫だったのにな。
素直になれてたのにな。
まただ。
この胸の奥からのドキドキ。
熱くなる頬。
翼と目を合わせられない。
これ、何なの?
「意地っ張り。
バーカ、少しは素直になれっつーの」
そんなこと言われたって、なれっこない。
『うっさいなぁ』
そう言いたいのに、もう心がいっぱいいっぱいで、何も出てこないよ。
この気持ちって、
もしかしたら………、
気付いちゃいけないと思った。
だって、きっと叶わないもん。
気付いちゃダメだよ。
この気持ちが一般的に言う“恋”だなんて。


