ケンカ上等☆不良校上々↑↑




他校での友達って、歩夢しか知らないし。




「会いましたよ」


そーっだったっけ?

記憶をたどって、誰だったか思い出そうとする。


「俺のこと、助けてくれた」

え?助けた?

あたしが助けた男の子?




やっぱ、

「あたしキミのこと知らな───」

「歩夢と言い合って、やられてた時、助けてくれたじゃん!」



言葉を遮られ、続けられた声に身体がビクッとした。


さっきまでの笑顔は消えて、泣き出しそうな顔をしてる。




このコに、


「あっ…すいません」

困ったように手で口を抑えるこのコに、あたし、会ったことあるんだ。





歩夢に傘を返しに行った日、昇降口で歩夢と揉めてた。


あの時の男の子。


正式には、あたしは助けたんじゃなくて、ケンカを止めただけ。


でも、だとしたら、どうしてここにいるの?





「あの、俺、ちゃんと礼言いたくて」


また笑顔に戻って、あたしを真っ直ぐ見つめてくる。


「ありがとう、木崎さん」