本人がそう言うなら、翼に言われた通り、ほっとこ。
どす黒いオーラを漂わせてる太陽と距離が開く。
時々振り返りながら、翼の隣まで駆け寄った。
違う。
駆け寄ろうとしたの。
なのに、数歩足を踏み出した瞬間、
誰かによって歩くことを阻止された。
あたしの腕を掴む手は、太陽じゃない。
だって、あのショック状態で、あの太陽が動けるはずないもん。
翼は先に行っちゃったから、戻ってくれば、すぐ気付くはずだし。
それに、制服に見覚えがない。
捲られた袖から出た腕は、少し細い気がする。
じゃあ、今あたしの腕を掴んでるのは誰?
「お久しぶりですね。
木崎みくるさん」


