立場が同じだから苦しい。
あたしには、美弥薇の気持ちすべてを見透かせるわけじゃない。
でもね、苦しいのはきっと一緒だよ。
「あたし、時々わからなくなるの」
少しずつ確かめるように、美弥薇へと足を進める。
「ケンカして、1番強くなって、そのために誰かが傷つかなきゃいけないなら」
見たくないから。
大切な人が傷ついてく姿とか。
痛いだけだもん。
「ケンカする意味なんて、どこにもないと思う」
もともと、あたしはケンカとは無縁だったし。
話し合って解決するなら、そっちのほうが好き。
「だったら、もうやめよう。
こんなことしたって、誰も幸せになんてなれないよ」
一瞬、彼女の瞳に揺れを見た気がした。
「もう、終わりにしよう。
がんばるの、やめよう」
触れられる距離。
近くまで来て、初めて知ったんだ。


