逃げ出したとしても、それからどうしよう。
あたしは歩夢や芽咲みたいに強くないし。
仁みたいに説得だってできない。
できるとしたらアキちゃんと見知らぬ女の子と一緒に先輩を運ぶこと、だけ。
あたしが逃げて周囲に迷惑がかかったら、それこそ本末転倒なわけで。
「どうしてあなたはそうやって、何かを守ろうとするんですの!?」
行動に移せないでいると、美弥薇の叫び声に周りが一瞬動きをなくす。
「大切だから守るだなんて奇麗事を。
大切な人に裏切られて、大切なものを失った時の悲しみがどれだけ残酷であるのか」
それは単純な叫びとは言い難い、悲しみに狂った涙の叫び。
「あなただって知っているでしょう!?」
仁を睨みつける美弥薇は、言い放つと次にこちらを向く。
正確に、目がバッチリと合った。
「木崎みくる、あなたは本当に仲間を守りたいとお思いで?」
考える間もなく、答えは決まってる。


