息切れしつつ、軽い笑みを浮かべて歩夢は言う。
仁は美弥薇を無理矢理向き合わせて何かを話してるみたいだった。
「芽咲、太陽来るまで歩夢を手伝ってあげて」
「言われなくても、手伝うよぉ。
やーん、ちょっとぉ汚い手で触んないでよ」
特徴的な声の調子はいつもと同じなのに。
「私に触れていいのは太陽だけなの!」
芽咲が蹴りを入れると鈍い音が何度か鳴って。
手加減っていうものを知らないのかな…?
関係のないあたしまで、激痛が走るような感覚になる。
見ていられなくて、またアキちゃんのほうへ方向転換。
そこには、笹倉先輩を必死に運ぼうとしてる姿が。
「むーっ、なんなのコイツ。
デカすぎて運べないじゃない」
いったい太陽は何をしてるんだろう。
がんばってるアキちゃんが可哀想に思えてくるよ。
とにもかくにも、あたしもできることを探さなきゃ。
まずは、脱出。
抑えられて不自由になった体をどうにかしないと。
でも、どうにかってどうするの?


