こんなことして、いったい何になるの。
「あなたがいなければ私は…っ」
言葉が途切れれば再度叩かれる。
その繰り返し。
「あたしを叩いて、何か意味あるの?」
「うるさいっ…」
弱った声。
笑顔が消えて泣き出しそうな顔をする美弥薇がそこにはいた。
「あたしを叩いても、高原さんの状況が変わるわけじゃないでしょ」
人に当たりたくなるのはわかる。
ツラそうなのも。
でもダメなんだ。
周りを変えたいなら、自分が変わらなくちゃ。
「こんなことしたって意味ないよ」
「うるさいっ!!」
大声をあげて、手を振り上げるから。
あたしはできるだけ強く目を瞑る。
だけど、その割には痛みを与えられる動作が起こらない。
「どうして、ですの?」
美弥薇の声が震えてる。
何かに驚いてる?
ゆっくりと閉じた瞳を開ければ、すぐに真相は見えてきた。


