こんなにすんなり着いちゃっていいものなのか。
逆に奇妙な気もしたり、しなかったり。
さっきの人、誰かが迎えに来てるって言ってたよね?
人影全然見当たらないんですけど。
浜辺をひと通り歩いて数分。
静かな空間に、突然ザクッと砂を踏む音がして瞬時に振り返った。
明かりが少ないせいか、暗くてよく見えない。
「誰かいるの?」
声をかけるのに返事がなくて。
だんだん近づいてくる足音に、沸き上がる恐怖感。
うっすら月明かりに照らされて映し出された形。
「嘘───なんで」
相手は笑顔を向けてあたしに告げる。
「私から逃げられるなんて、考えるだけ無駄ですわ。
まったく、まだ裏切り者がいるとは」
すぐ横で何かが倒れる音がして視線を移すと、あたしを襲ってきた棘のメンバーが立っていて。
その足元で苦しそうに呼吸をしてる人が。
「仁の代わりにあなたを加えたのは、どうやら間違いだったようですわね」


