ケンカ上等☆不良校上々↑↑




思い返せば、冷たくあたしを突き放す翼は最後はいつだって優しかったんだ。





「あなたは、仲間をちゃんと守れているんですの?
恋だのという感情に身を委ね、周囲を苦しませているだけなのでは?」




どうして気づかなかったんだろう。

こんなに大切に想う相手の苦しみに、何ひとつ気づいてあげられないなんて。



「あなたの判断は、すべて間違っていた。
そうでしょう?木崎さん」


まるで催眠術だ。

美弥薇の言葉があたしを埋め尽くしていく。



あたしが間違ってたの?

あたしが違う判断をしていたら、翼は今よりずっと幸せだった?



「あたしは……っ」



大切な人を守ることすらできなくて、傷つけるばっかりで。



「そんなにツラそうな顔をなさって。
今さら自分の過ちに気づいても遅いんですのよ?」



今さら、なんだ。

もう遅いんだ。

終わったことは、もうやり直せないんだから。


ごめん、ごめんね。

翼………。