嫌な予感がした。
しかも嫌な予感に限って当たるもんだから、余計気分が悪い。
「えぇ、言って差し上げましたわ。
もし、このまま木崎みくるをリーダーに置いておくのなら彼女が危険だと」
あたしが、危険?
もう、この状況自体が危険なんですけど。
「てっきり、あなたは飛竜のためにリーダーを降りるのかと……」
不思議だと言わんばかりに、あたしをまじまじと見てくる。
「あぁ、そうでしたわね。
飛竜は優しい人ですから、あなたのワガママを優先したのでしょう?」
いったい何なの?
この、まるで様子を窺っているような瞳。
翼のためにリーダーを降りる?
あたしのワガママを優先?
「高原さん、あたしからもお聞きしていいですか」
「えぇ、もちろんですわ」
逃がすまいと、じっと彼女を見つめる。
何なんだろう。
変に引っかかる言い方をして。
「さっきから、あなたはあたしに何が言いたいんですか」


