以前あたしの家の前にいた美弥薇の姿を思い出す。
こんなに早く、また会わなくちゃいけないなんて。
あたしが解放されて上半身を起こすと、そのすぐ隣に美弥薇は腰を下ろした。
薄暗い森に2人。
「改めまして、高原美弥薇です」
微笑みかけながら握手を求められても、対応に困るのが内心。
「…木崎、みくるです」
警戒心オープンで握手を交わす。
見た感じ、美弥薇は落ち着いてるっぽい。
ケンカにならないだけ、いいほうなのかな。
「ところで木崎さん。
あなた、なぜリーダーをやめなかったのです?」
「え?」
唐突な質問に、一瞬頭が真っ白に。
「飛竜から言われませんでしたの?」
ひ.飛竜、って。
「なんで、それを知ってるの?」
おかしい。
翼からリーダーやめろって言われたのは図星なんだけど。
「もしかして、あなたが翼に何か言ったの?」


