「仁はあたしの、あたしたちの仲間」
場合によっては恐怖を感じるけど。
いつもあたしを気遣ってくれてる。
そうじゃなきゃ、あたしは仲間に入るよう誘ったりしないもん。
「みんな、大好きなの」
大切でかけがえのない、あたしの仲間なの。
それをあんなマイナスな言い方するなんて。
「あなた、可哀想だね。
他人の悪い面しか見ようとしてない」
絶対に、絶対に許さない。
そのままずっと、見下ろしてくる相手を睨みつける。
いつもピンチの時は誰かが助けに来てくれた。
でも毎回期待するわけにはいかないんだよね?
あたしだって、みんなを助けたい。
「あらあら、無様な体勢ですこと」
握る両手に力を入れたと同時、草を踏む音と高い声が耳に入る。
「もう行ってよろしくてよ。
彼女と2人きりでお話がしたいのです」
聞き覚えのある声。
「嫌とは言わせませんわ。ね?
き・さ・き・み・く・る」
……美弥薇。


