ケンカ上等☆不良校上々↑↑




静かに開いた扉の向こう。

体調が落ち着いてきたのか、仁が仰向けのまま顔だけをこっちに向ける。



「傷、まだ痛む?」


そばまで行って、しゃがみ込むと

「いや、もう治った」

何事もなかったかのように起き上がろうとするから。



「まだ寝てなきゃダメだよ」


慌てて手を伸ばしたのに、数時間前みたいに振り払われて。


「なんか仁、冷たくなったね」


思ったことを率直に伝えると、なぜか仁は面白そうにあたしを見てくる。



「優しいほうがいいなら、優しくしてやってもいい」

「え?」

「ただし、条件がある」



はい。

即刻ご丁寧に、お断りします。



「交換条件は拒否るよ。
あたし、冷たい人でも全然平気だもん」


本当は平気じゃないんだけど。



強めの口調で告げると、今度はつまんなそうにあたしを見てくる。



よし、勝った。

何も言い返してこないことに満足して、心の中でガッツポーズを決めようとした瞬間。